露出と露出補正について

露出とは

露出とは写真の明るさを決める光の量のことで、絞り値・シャッタースピード・ISO感度の組み合わせで変化します。

露出がちょうど良い状態のことを適正露出といい、撮影者が思う「これくらいの明るさで撮りたい」と思う露出のことで、撮影者側のしたい表現方法によって適正露出とされる状態は変わります。

露出(カメラが取り込む光)を数値化する際は、「EV(Exposure Value)=段」を単位として用い、1段上がれば明るさは倍に、1段下がれば半分になります。

露出補正とは

デジタルカメラに搭載されている露出調整機能のことです。

露出補正は適正露出を導き出した上で、写真の明るさを微調整するために使用します。

露出補正の単位は、明るさを表す「EV=段」を用い、

+1EV、+2EVで明るく、-1EV、-2EVで暗く、露出を微調整することができます。

上手な露出補正の方法

EVを細かく調整する

EVを+1EV調整すると明るさは基準より2倍(-1EVなら半分)になり明るさは相当変わってしまいます。

0.3EV、0.5EVなど細かく刻んで都度調整していくことができるので、0.3EVから0.7EVあたりの変化で様子を見ることをおすすめします。

同じ構図で明るさが異なる写真を複数枚撮る

適正露出で撮った写真から、プラス補正・マイナス補正したものを撮っておくと、後々イメージが違った時のバックアップにもなり、違った表現の発見にもなります。

実際、カメラにはそうした場面での撮影を想定して、一回のシャッターでプラス・マイナス補正・適正露出の写真、の複数枚を撮影できる=オートブラケットという機能があります。

よくない露出補正の例

露出オーバー

写真の明るい部分が真っ白に映っていたり(白飛び)、全体のコントラストが低くなったり、露出が高すぎるときのこと。

露出アンダー

写真全体が暗かったり、黒色の部分や細かい部分が潰れて(黒潰れ)見えなくったり、露出が低すぎるときのこと。

表現方法としての露出補正

ハイキー

実際の明るさより明るめに仕上げること。光を全体に感じ、色味をクリアに見せ、やさしくふんわりした印象の表現になります。

ローキー

実際の明るさより暗めに仕上げること。明るい部分が強調され陰影がくっきりし、色味を強調させ、かっちり重厚感のある印象の表現になります。

露出補正が有効な撮影モード

デジタルカメラには、写真の明るさが適正になるよう露出を自動でコントロールする自動露出(AE)機能があり、その機能を使って得られた露出のことを標準露出といいます。

カメラが自動的に決めた適正露出を基準に、写真を明るくしたり暗くしたりすることが露出補正ですが、露出補正が可能な撮影モードは、P(プログラムオート)、A/Av(絞り優先オート)、S/Tv(シャッタースピード優先オート)に限られています。

手軽に撮ることが可能なP・A・Sモードは、撮影者が表現したいものとカメラとの認識のズレを修正するために、必要不可欠な機能となっています。

そのため、全てを自動で決めてくれるAuto(オート)や、全てを手動で決める必要があるM(マニュアル)には不必要な機能ということが分かるかと思います。

RAW現像で調整する露出とカメラの露出補正の違い

JPEGデータと違いRAWデータは、デジタルカメラで撮影が可能な「生」「未加工」を意味するもので、イメージセンサーから取り込んだ未圧縮の状態であることから、写真の詳細(色彩・明度など)を確定させる現像前の状態ともいえます。

後々、RAWデータは編集ソフトで画像データを壊すことなく幅広い編集が可能で、書き出す際をRAW現像といいます。

編集できるもののひとつとして露出量があり、カメラの露出補正と似たような効果があるといえますが、写真の出来上がる工程をみていくと全くの別物であるといえます。

露出補正

カメラに貯める光の量が変わることで、写真を撮るときの(元の)明るさを変える。

RAW現像

データの明るさの数値を変えることで、見た目の(表面上の)明るさを変える。

例えば、分かりやすい極端な話でいうと、白飛び・黒潰れしている箇所は諧調のデータそのものがないので、露出補正の段階で調整することで防ぎ撮影することはできても、RAW現像の段階ではできません。(=光の量そのものは変えられない)

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