絞り

絞りとは

カメラのレンズから入ってくる光の量を調整するためにあり、レンズの中にある数枚の絞り羽でできた仕組みのことです。

レンズの中心の穴を大きくしたり、小さくしたりすることで光の量を調節し、

穴を大きくし取り込む光の量を多くすることを絞りを開く、穴を小さくし取り込む光の量を少なくすることを絞りを絞るといいます。

絞り値(F値) とは

絞りで光の量を調整したとき、レンズを通ってイメージセンサー(撮像素子)に写る像の明るさを数値化したものを**絞り値(F値)**といいます。

F値のFは「focal(焦点の)」から、焦点の値を意味しています。

絞り値を変えると

明るさが変わる

絞り値を変えると絞りの開き具合が変わり、レンズを撮る光の量が変わります。

絞り値を大きくすると、絞りが絞られてレンズを通る光が少なくなり、写真は暗くなります。

絞り値を小さくすると、絞りが開かれてレンズを通る光が多くなり、写真は明るくなります。

被写界深度が変わる

被写界深度(ひしゃかいしんど)とは、ピントが合っているように見える範囲のことを指します。

ピントが合っている範囲以外はボケているように見えます。

被写界深度はレンズの焦点距離でも変わってきますが、絞り値によっても大きく変化していき、

絞り値を大きくする(絞る)と、被写界深度(ピントが合って見える範囲)は深く(ボケにくい)、

絞りを使った表現

絞りの特性を利用して、様々な写真表現が可能です。

ボケを利用して被写体を際立たせる場合だけでなく、反対に画角全体にピントを合わせたい場合も適正な絞り値を把握しておくことは幅広い写真表現を可能にします。

際立たせたい被写体があるとき

主役となる被写体にだけピントを合わせ、背景をしっかりとボカすことで被写体を際立たせてとることができます。

こうした撮影時にはF値は低めでF1.4~F2.8に設定します。

レンズの最短撮影距離を生かして、被写体が最短撮影距離にあることでレンズとの間のものが前ボケすることで、より効果的な表現も可能です。

手ブレをさせたくないとき

シャッタースピードを長くすることで露出を上げると手ブレしてしまうため、F値でバランスを取るのが最適です。

そうした撮影時には、シャッタースピードをある程度速くしてF値はF4~F5.6あたりが最適です。

風景や集合写真で全体にピントを合わせたいとき

集合写真など前列と後列に距離があったりする場合や近景から遠景までピントが合わせたい風景写真など全体にピントを合わせたいパンフォーカスのときのF値は、F8~F16がおすすめです。

光の筋(光芒)を撮りたいとき

夜景や木漏れ日など、光の筋の部分を写真に納めたいときはF値はF14~F22で撮ることで可能になります。

しかし、絞りを絞り込んでいるためカメラが取り込む光の量もとても少なく、シャッタースピードを長めにし手ブレ対策に三脚を使用するなどの工夫が必要です。

絞りと露出の関係

写真の明るさを適正に保つためには、写真の明るさ(露出)を決める絞り・シャッタースピード・ISO感度の3要素のバランスが重要ですが、この組み合わせを間違えると明るすぎる写真=露出オーバー・暗すぎる写真=露出アンダーな写真になります。

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