カメラを選ぶときのスペックや、撮った写真を印刷するとき、または日常生活でも画素という言葉を耳にすることがあると思います。
混同してしまいそうな言葉に解像度があり、その違いを正しく理解するのは少しややこしいところがあります。
知っておくとカメラ選びが楽しくなりますし、印刷時などにも役立つポイントなので図解してまとめてみました。
画素とは
画像の最小単位のことを画素といい、ピクセルとも呼ばれています。
一枚の写真を拡大してみるといくつもの点で構成されていることが分かります。このひとつの点を指す言葉が「画素」です。
画素は写真だけでなく、ディスプレイなどデジタルを介した画像の指標としても使われています。
画素の総数のことを「画素数」といい「〇〇×〇〇」といった表記は縦×横で両方向にいくつ画素が並んでいるか、その総数のことを表しています。
また、「画素/画素数」という言葉はカメラの性能、写真の見た目の質、撮ったものを出力するときなど複数の使われ方をしており、用途ごとに整理してみました。
カメラの「画素数」
デジタルカメラに対して使われる「画素」は、イメージセンサー(撮像素子)についてのことを指します。
カメラのレンズから入った光を結像し、電気信号に変えて、データを転送するという役割を果たす、というのがイメージセンサー(撮像素子)の役割です。
そのイメージセンサーひとつに画素がいくつも並んでいて、そのひとつひとつが光を受け取っています。
例)有効画素数約3300万画素などと表記されている場合
=イメージセンサーには7680×4320ピクセル=約3300万個の画素のセンサーが並んでいるということ
写真の「画素数」
写真に対して使われる「画素」は、デジタル写真のデータについてのことを指します。
写真や画像を、現像したり出力したりする以前に、そもそも持ったデータの状態で、どれくらいの画素によって構成されているかを示している単位に画素数が使われています。
画素数が多くなるほど、ひとつの写真がより細かい点で構成されるため、精細に描画され、反対に画素数が低くなるとひとつの写真の画素自体が大きくなり、荒い印象のある描画がされます。
画素数と解像度の違い
画素数と似た意味で使われる「解像度」は、単位距離当たりの画像や写真、映像のデータを構成する密度のことを指します。
主に、写真や画像がモニターやプリンターで出力する際に使われ、ピクセルやドットがいくつ並んでいるかを表しています。
解像度が高くなるほど、画像における密度は高くなり、より細かく高精細な画像と言えます。
写真・画像の状態として使われる「画素数」、写真・画像が使われた先の状態として使われる「解像度」
写真の「解像度」
写真や画像に使われる解像度の値として、ppi(Pixels per inch)とdpi(Dots per inch)の2種類があります。
①ppi=(Pixels per inch)とは
1インチ(2.54cm)当たりのピクセル数のことを指し、ピクセルが1辺に10個並んでいれば、100ppiになります。
ppiは、主に液晶モニター上で表示される画像や動画の解像度に使われる単位で、データ上で出力された画像がどれくらいの密度の点で構成されているかを指します。
想定される詳細な用途としては画像や動画を編集したものをウェブページなどで表示するときは書き出す際に「ppi」を使用します。
②dpi=(Dots per inch)とは
1インチ(2.54cm)当たりのドット数のことを指し、ドットが1辺に10個並んでいれば、100dpiになります。
dpiは、主に印刷時の解像度として使われる単位で、印刷して出力された画像がどれくらいの密度の点で構成されているかを指します。
ピクセルとドットの違いとは
①ピクセルとは
色の情報を持った素子の最小単位のこと。
1ピクセルは画像の最小単位ですが、液晶モニターなどデジタルな場面で色を表現する際に用いられる単位であり、実際は1ピクセルの中に光の三原色であるRGBからなっています。
②ドット
反対に、ドットはその名の通り「点」を意味し、印刷物などの全体を構成する単色の「点」の状態を指します。
ピクセルの元をたどればドットで構成されているといえますが、ドットはピクセルであると言い換え切ることはできません。
ピクセルはデジタル上で使われる画像データの最小単位として確立した単位ですが、ドットに関しては使われ方や解釈によって曖昧な単位になる場合があります。
使い分けとして整理するとすれば、
ppiは液晶モニターなどに表示される時、デジタルな画像の解像度で使う単位、
dpiはプリンターやスキャナーで変換された時、アナログな画像の解像度で使う単位といえます。