カメラを選ぶとき、スペックの違いをどう見たらわからない、とはじめに思う方は多いと思います。
カメラの仕様のひとつであるイメージセンサーの違いは、画質のきれいさや写真の画角にも影響してくる重要なポイントです。
その仕組みから理解することで、自分が求めるスペックのカメラを知るだけでなく、撮影する技術アップにも役立ちます。
イチカラ知ってみたいという初心者さん向けに、分かりやすく解説します。
イメージセンサーとは
デジタルカメラの「目」とも例えられ、フィルムカメラのフィルムと同じような役割をしています。
デジタルカメラが写真を撮影する時、カメラのレンズから入った光を結像し、電気信号に変えて、データを転送することができる半導体のことをセンサーサイズ、または撮像素子といいます。
センサーサイズの大きさは画質の良さに関わっており、大きくなるほどより多くの光を取り込むことができるため、暗所に強く画質が良くなり画角は大きくなります。
反対に、小さくなると一般的に画質は悪く、画角も狭くなります。
イメージセンサーは数百万から数千万の受光素子の集合体で出来ており、ひとつのイメージセンサーに基盤の目のように並んだ受光素子の、その最小単位を画素(ピクセル)と言います。
カメラのセンサーサイズがどれほどの画素数かは「有効画素__万」と表記された部分を見ると確認できます。
例)有効画素数約3300万画素=3300万画素のセンサー=受光素子の個数は約3300万個(7680×4320ピクセル)
イメージセンサーの仕組み
一枚の板に見えるイメージセンサーは、主にオンチップレンズ(マイクロレンズ)、カラーフィルター、フォトダイオード(受光部分)、配線(出力部)の4層で成り立っています。
レンズで集めた光を色ごとに分離し、フォトダイオードで電荷に変換し、転送するのが主な仕組みです。
オンチップレンズ(マイクロレンズ)
イメージセンサーの上部にある小さなレンズのこと。
ひとつひとつの画素ごとに設けられ、カメラに入ってきた光が電極や遮光膜に当たり無駄にならないように受光素子に届ける役割をしています。
カラーフィルター
光の三原色である「赤色(Red)」「緑色(Green)」「青色(Blue)」の主に3つの基本色を感知し、RGBそれぞれのフィルタが特定の波長の光を通過させることでイメージセンサーが色を認識しています。
フォトダイオード(受光部分)
光を電気信号に変換する素子、数十万から数百万敷きつめられており、レンズを通り結像させた被写体の光の強弱によって発生する電子量が変わります。
配線(出力部)
フォトダイオードで変換された電気信号を取り出して他の部分へ転送します。
センサーサイズで違いがでるもの
画角
センサーサイズが大きくなると画角は広く、小さくなると画角は狭くなる。
画角 カメラで撮影した際に写真に写る範囲を角度で表したもの。
イメージセンサーの大きさの違いで画角が変わる理由は、焦点距離と画角の関係と似ています。
ここでは、センサーサイズの違いにだけ着目してみます。
例えば50mmの焦点距離のレンズを使って撮影した場合、センサーサイズが異なると同じ画角では写りません。
上の図で分かるように、同じ位置にイメージセンサーがあり(焦点距離が同じ)、大きさだけが違った場合、レンズから光が入射して、被写体が結像しイメージセンサーが捉えられる角度が変わっています。
フルサイズを基準として考えるフルサイズ換算
イメージセンサーの違いは画角の変化に大きく関わってくることから、
同じ焦点距離のレンズを使用していても、カメラのイメージセンサーのサイズで画角に違いが出てくると、撮影したい画角で撮るにはどのカメラとどのレンズを選べばいいか、といったような状況で発生するかと思います。
そうした課題を解決するために、フルサイズ換算(または35mm換算)があります。
フルサイズセンサーを基準に、フルサイズ機で見た場合の画角として、他のイメージセンサーの焦点距離を計算しなおす方法です。
この計算方法で換算すると
APS-C(SONYやNicon、FUJIFILMなど)
レンズ側の焦点距離 × 1.5
APS-C(Canon)
レンズ側の焦点距離 × 1.6
マイクロフォーサーズ
レンズ側の焦点距離 × 2.0
で、求めることができます。
画角が狭くなってしまうというのは一見デメリットのようにも思いますが、遠くの被写体をより大きく写せるというメリットもあります。
遠くのものを撮りたい場面ではマイクロフォーサーズやAPS-Cのカメラが力を発揮することから、撮影状況によってイメージセンサーの選択が重要になってくるといえます。
ボケ感
センサーサイズが大きくなるとボケ感は大きく、小さくなるとボケ感は小さくなる。
これは、センサーサイズが大きくなると焦点距離も長くなるため、ボケの量も大きくなるという特性からです。
異なるセンサーサイズで同じ画角に合わせて撮影した場合、焦点距離が長いレンズを使えるフルサイズの方がボケが大きく、被写界深度も浅くなりやすいといえます。
しかし、被写界深度(ピントが合って見える範囲)自体は焦点距離やF値で変化してくるため、センサーサイズが大きくなったから被写界深度が変化しているわけではなく、あくまでボケやすい環境になるか、という話にとどまります。
階調
センサーサイズが大きくなると階調は豊か、小さくなると階調は狭くなる。
階調 色の濃淡や明るさの変化の度合いや変化の滑らかさを指し、グラデーションとも呼ばれます。
階調表現は、1画素あたりの受光量が増えることで豊かになります。
画素数が同じだったとしても、総面積が違うセンサーサイズ同士では、1画素の総面積が大きいほうが受光量が多く諧調表現は豊かになりますが、反対に1画素の総面積が小さくなると処理できる色や光の情報量が減るため、白飛びや黒潰れが発生しやすくなります。
暗所性能
センサーサイズが大きくなると暗所性能は高く、小さくなると暗所性能は低くなる。
センサーサイズと暗所性能は、ISO感度を上げたときに関わってきます。
これは、階調表現とセンサーサイズの関係と同じで、1画素が大きいほど取り込める受光量が多くなり、光の少ない場所でISO感度が上がってもノイズが発生しにくくなるといった特性があるからです。
センサーが大きいほどISO感度を上げてもノイズが出にくければ、その分シャッタースピードや絞り値に自由の効いた表現ができます。
しかし、最近のデジタルカメラではAPS-Cやマイクロフォーサーズといったセンサーサイズのカメラでも暗所の劣化が少なくなってきており、また、撮影後に編集ソフトでノイズを減らすこともできるため、センサーサイズにおいて暗所性能を意識することは少なくなってきたかもしれません。
カメラの大きさ・レンズ・値段
センサーサイズが大きくなるとカメラの大きさは大きく、小さくなるとカメラの大きさも小さくなる。
センサーサイズの大きさにあわせて、他の機構も大きくなるため、必然的にカメラ全体の大きさと重さは増えます。
フルサイズカメラでも小型化されたものはありますが、レンズはセンサーサイズに合わせて設計・製造されているため、やはり全体的に大きく・重くなっていく傾向にあります。
また、APS-C機用レンズをフルサイズに装着することは可能ですが、画面の四隅が暗くなるケラレが起きるため、一般的には推奨されません。
値段もセンサーサイズが大きくなるほど高価になっていく傾向にあり、自分の撮影用途に応じて、予算と使用感のバランスに合ったカメラを選びたいところです。
センサーサイズの種類
フルサイズ(フルフレーム)
フィルムカメラで一般的に使われていた「35㎜判フィルム」とほぼ同じサイズのセンサー。
特徴:高画質で暗所に強く、高機能。
細かいところも精細に写し、グラデーション(諧調)もなめらかに、ノイズも少なく抑えます。
ボケやすい写真が撮れるため、幅広い写真表現ができるが、
フルサイズのセンサーサイズを搭載したカメラは大きくて重く、価格も高い傾向にある。
APS-C Nikon、Sony
フルサイズよりも小さいサイズのセンサー、比較的安価。
Advance Photo System(アドバンスフォトシステム)の略で、実際にあるフィルムの規格を指し、
「-C」はCサイズ=クラシックという意味で、アスペクト比は「3:2」
その他にあるフィルムの規格として、
APS-H=Hサイズ(ハイビジョン/ 16:9)
APS-P=Pサイズ(パノラマ/3:1) が、ありまずがデジタルカメラのセンサーサイズとしてはほぼ見ることはありません。
特徴:小型・軽量で安価。
画質、暗所耐性、ボケの量はフルサイズには劣るが、
画角内の全体をくっきり写し(=ボケにくい)、望遠撮影に向いている(=遠くを写しやすい)。
広く、遠くを写すという意味では、
重い・大きい・高いフルサイズ機+フルサイズレンズより
軽い・小さい・安いAPS-C機+レンズの方が優れていることが多い。
同じような点で、「高倍率ズームレンズ」の性能を最大限に引き出せる。
APS-C cannon
APS-Cの焦点距離をフルサイズ換算すると、通常は「約1.5倍」するところ、
キャノン製APS-C機の場合は「約1.6倍」します。
マイクロフォーサーズ
APS-Cよりさらに小さいサイズのセンサーで、オリンパスとパナソニックによって策定された比較的新しい規格。
Micro Four Thirds(マイクロフォーサーズ)は、縦横比「4:3」の「4/3型」イメージセンサーを採用していることから名づけられました。
前身にフォーサーズシステムがあり、センサーサイズは同じですが、フォーサーズシステムからミラーを外し小型軽量化がされたものがマイクロフォーサーズです。
フルサイズやAPS-Cと比べて、縦横比のうち横幅が少し短いのですが、縦・横ともにおよそフルサイズの半分(面積は約1/4)。
フルサイズ換算するときは「2倍」します。
例:マイクロフォーサーズ用25mm単焦点レンズはフルサイズ用50mm単焦点レンズとほぼ同じ焦点距離になり、同じ画角で撮れる。
特徴:APS-Cよりさらに小型軽量で安価で、さらに望遠撮影が効果的。
センサーサイズが小さくなる分、光を取り込む量も少なくなるため、それに比例してボケを作ることや暗所の撮影には向かない。
しかし、画角全体にピントを合わせやすいため「パンフォーカス」での撮影には適しているという利点もある。
1型 1/2.3型
サイズとしてはかなり小さく、レンズ交換式カメラでの採用は珍しく、コンデジやスマホなどに採用されている。
ボケに関してはほぼ期待できず、最近のスマホではボケを再現するためにAIやソフトウェアでボケたように加工する技術が搭載されている。
画角内の全体をくっきり写し(=ボケにくい)、望遠撮影に向いている(=遠くを写しやすい)。
広く、遠くを写すという意味では、
重い・大きい・高いフルサイズ機+フルサイズレンズより
軽い・小さい・安いAPS-C機+レンズの方が優れていることが多い。
同じような点で、「高倍率ズームレンズ」の性能を最大限に引き出せる。
しかし、画角全体にピントを合わせやすいため「パンフォーカス」での撮影には適しているという利点もある。